やっと読めたー。
心震える最後でした。
いけばなの稽古で、手直しをしてくださる先生の手を見ます。習い始めた頃に先生にそうしなさいと言われたのです。
京都へ通い始めた頃、ある先生のかきつばたの一種生の稽古のなかで強烈に心に残っている言葉があります。
「手直しをしている先生もその先生の手を見て、先生の先生もその先生の手を見ていた」先生の手の先にずーっと、その先生の先生の先生の先生の…ずーっと手がつながっている。
いけばなは手で伝わってきたもの。
いけばなが始まった頃までずーっとさかのぼっていくのを、手がずーっとさかのぼって続いていくのをそのとき目の前に見たように感じて感動を覚えました。「花いくさ」の時代にも自分がつながっている…今まで実体ない人物だったのが、その時代の生きた人物として感じられた小説でした。