今日心に残った言葉の一つ。
(社)日本産業カウンセラー協会九州支部総会で会員研修として、上嶋洋一先生の講演を聴く。
産業カウンセラー向けの講演なので、おのずとカウンセリングにおけるかかわりにつながる表現もあったが、むしろ日常における人との関係についてハッとする気づきがいろいろ...考えさせられた。でも内向きに考え込むんではなく、外に開いていくような思いがした。
「X線のような感受性は存在しない」
カウンセリングでは、カウンセラーがクライエントに"応答"することを積み重ねていくが、精いっぱい応答していく中でそのズレを知る・軌道修正をしていくことが大切であるということ。「わかんなくても、わかんないなりに伝え返す」。
自分自身、よくよくわかっているつもりだったけれど、この言葉を聞いて改めて実感した。
相手と関わることなく、相手を知る・受け入れることなどできない。眺めていても相手の気持ちなんてわかりっこない。
あまりにいろんな言葉が心に響いて、たくさんありすぎてここに書ききれないほど。いくつか言葉だけ、書き留めてみる。
「自分の存在が人を幸せにする、ことが自分の癒しになる」
「人間的な関心を伝える手立てとしての『質問すること』」
質問は"関心"があることを示す。カウンセリングの学びの過程で、"質問攻め"を嫌うイメージがあったけれど上嶋先生の学生時代の体験を伺って、どんな気持ちを持っての質問であるかが問題で、たくさんの質問攻めが嬉しい体験にもなることを知る!!!
「うれしかったら『うれしい』と伝え返すこと」
それが周囲の人も幸せにする。『うれしい』が返ってくることで、関わった人がこれでよかったんだという思いになる。『うれしい』がわかる・伝わることで、そこにかかわる人全ての心に幸せが広がる。
逆の『辛い』も伝えること!!!
「病気になる前の身体には戻らない」
考えると当たり前なんだけど、"病気が治る"とき病気になる前の身体に戻っているわけじゃない。風邪だって免疫ができるということは、元の身体とは違ってるってこと。目に見えて"治る"病気や症状の場合にはあまり意識していないところだけれど、麻痺や後遺症などが残る病気のとき"治る"とはどういうことなのか。
"病気を越えて、病気の向こう側へ行くこと" ◆徳永進著「病室から」
「"原体験"は蓋の閉まったプレゼント」
心の奥にしまってある、沈んでいる、引っ掛かっているいろんな体験がある。その時には気づかなかったことが、後でパッと目が開いて見えたり、じんわりと心にしみてきたり、一度わかったと思ったことの奥にさらに別のものが隠れていたり...
向き合うことは時に辛いこともあるけれど、その中にいろんなプレゼントが詰まっている...と考えると、どうしても心から追い出せない体験と、向き合うことも悪くないのかな。
そして何より一番心にずんと来たのは、配布資料の中のある学生さんの手書きのレポートの写し。
自分の個人的な体験とすごく近い話だったから!(つまり私自身の"原体験"のひとつ!)
とにかくとにかく、上嶋先生本当にありがとうございました。いろんないろんな心の響きがあって、ちょっと自分の中に変化が起こった気がしています。
◆上嶋洋一先生(社会福祉法人千葉いのちの電話理事、千葉商科大非常勤講師)