ワレモコウは、好きな花のひとつだ。まず最初にその名前がいい。吾亦紅・・・「吾も亦紅い」と書く。
秋の山中で、赤く色づくものはいろいろあるけれど、その中でわたしも紅いと控えめに名乗るという。
遠くから見ると、黒っぽく茶色のようにしか見えないが、近づくとぽっと紅い色に気づく。赤ではなく紅。
日が経つと紅さが消え、枯れたような感じになってしまうので、本当に新しいに限る花である。私は花屋でワレモコウと出会うわけだけれど、新鮮な吾亦紅に出会えるととってもうれしくなってしまう。
花材としても最近とても気に入っている。内からにじみ出るようなこの色味と、ちょんちょんと点を打つような姿は他にない。
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